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イスラム国 [国外]

 パキスタンにおいてイスラム武装勢力が陸軍の運営する学校を襲撃して銃乱射や自爆によって生徒ら百数十人が死亡したとても悲惨な出来事があった。オーストラリアの最大都市シドニーにおいてはイスラム過激派支持者とみられる男がカフェに立てこもって人質の男女2人が死亡したばかりである。 
 何の罪もない子どもや一般市民を標的にした卑劣な犯行に強い怒りを隠すことはできない。過激派の蛮行は善良なイスラム教徒への差別も助長しかねない事態である。国際社会は一致団結して過激派テロの抑止に努力すべきである。具体的にどう取り組んでいくのか国連や関係国の会議を通じて早急に検討してほしいと切に願って止まない。
 学校を襲ったのはパキスタンのタリバン運動である。厳格なイスラム法の適用を訴えて同国北西部やアフガニスタン国境地帯を拠点に反政府活動や自爆テロを繰り返してきた経緯がある。今回の襲撃においては軍の武装勢力掃討作戦への報復とみられている実情がある。武装グループは北西部ペシャワルの学校で生徒や教師を人質に立てこもって軍部隊と銃撃戦を展開した。襲撃犯は全員死亡、軍は生徒ら約千人を救出したが、多数が死傷したという悲しい結論になった。
 女子教育の不要論を唱えているパキスタンのタリバン運動は2年前、女子が教育を受ける権利を主張していたパキスタンの少女マララ・ユスフザイさん(17)を襲撃したのである。頭部を撃たれたマララさんは奇跡的に一命を取り留めて活動を続けて先のノーベル平和賞を受賞したのは記憶に新しい。マララさんは今回の事件について声明を発表し「愚かで冷血なテロ行為によって胸が張り裂けるようだ」と襲撃を強く非難してイスラム過激派のテロとの戦いに国際社会の連帯を強く訴えた。パキスタンのシャリフ首相はパキスタンのタリバン運動の掃討への決意を強調しオバマ米大統領や安倍晋三首相ら各国首脳は、犠牲者への弔意とパキスタンの対テロ戦への支持を表明したのである。だが、イスラム過激派の根絶は武力だけでは難しいという現実もある。
①各国が連携したテロ組織の取り締まり強化
②過激派に異教徒や他宗派への寛容を促すこと
③当該国や欧米諸国との和解、過激派の武装解除を進める
④過激派地域の貧困対策や経済振興ーなど
国際社会が協力した総合的な取り組みが必要不可欠である。
 2001年9月の米中枢同時テロ後、米国はアフガンを空爆してイスラム原理主義のタリバン政権を打倒し翌々年2003年の対イラク戦争でフセイン政権を倒して両国に親米政権を樹立した訳である。がしかし、駐留米軍の撤退や縮小により両国や周辺諸国のイスラム過激派反米勢力は息を吹き返したのだ。
 特に今年6月に「建国」を宣言した過激派組織「イスラム国」は欧米などから若い戦闘員を多数集めてイラク・シリアで占領地域を拡大した。パキスタンやオーストラリアの襲撃にも「イスラム国」の影響が指摘されていてこの組織が世界各国への「テロ輸出基地」になりかねないとの懸念がさらに強まった事実がある。各国で危機感を共有して抜本的な取り組みが早急に必要である。




タグ:イスラム国
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