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振込時間延長 [振込時間延長]

 銀行の振込時間が「延長」されることとなった。全国銀行協会(全銀協)が、お金の振り込みに24時間・365日対応できる「新システムの導入」を決めたからである。2018年中の開始を目指しているというのである。利用者が増えているインターネット通信販売などの使い勝手がより良くなると見込まれて「銀行業界の対応」を歓迎したいと思う。
 ただし、新システムの構築と維持には多額の費用がかかるという見通しなのである。また振り込みに対応する「時間が延びる」ということで、不正送金など「犯罪に悪用されるリスクも高まる可能性がある」といえるだろう。利用者の立場からすればサービスが拡充されたと言っても、そのコスト分の負担が大きくなるというのであればメリットを感じにくいと言わざる得ない。新システムに伴い不正送金などが増えるならば、制度全体の信用にかかわるのは言うまでもない。銀行業界としては、新システムの目的である利便性向上を損なわないよう個人や企業の負担を抑えた「安全な制度の構築」に努めてほしいと願う。
 現在あるシステムの稼働時間は原則「平日午前8時半から午後3時半まで」である。他の金融機関へ「当日中に振り込む」には午後3時までに手続きを終える必要があるのであり、これを過ぎると入金は翌営業日になるのである。例えば、金曜日の午後4時に現金自動預払機(ATM)などから振り込んだとしても相手の口座に届くのは土日を挟んで月曜日になるということである。
 全銀協は今回の件について「24時間・365日対応できる新システム」を整備する一方で、「実際に何時まで時間を延長するか」は各金融機関の判断に任せるというのである。今ある地方銀行64行は少なくとも平日午後6時まで延ばす方針だというのである。
 このため資金力がありシステム要員を擁立する「大手行」がより遅い時間や土日祝日へ延長するものと予想されるが、一方「小規模」な金融機関の中には時間延長に応じないところも出てくる可能性もあると言えるであろう。金融機関の対応の違いが利用者の混乱につながらないよう、全銀協には先頭に立って「周知」や「広報」、業界内での「指導」に力を入れてもらいたいと思う。
 銀行振り込みの時間が延長されることによって、送金や代金決済をめぐる各種サービス間の『競争』が激しくなることが見込まれると考えてよいであろう。クレジットカードにとどまらず、ネット通販のための決済サービス業者や仮想通貨による支払が近年急速に支持を広げているからである。その大きな特徴としては、利用手数料が「無料」または「極めて安い」という点である。
 米国が発祥で日本でも利用できるネット決済サービス「ペイパル」は口座の開設・維持だけでなく買い物代金の支払手数料が「無料」である。仮想通貨「ビットコイン」は昨年2月に取引所が破綻したことで不安視されたけれども、送金にかかる「費用の安さ」から利用が増えているというのが現状である。このような変化を前にすると預金金利がほぼゼロな一方で銀行の振込手数料が原則数百円もかかることが「妥当であるのか」との声も出てくるだろう。今回の制度拡充を機に「利用を増やす」ためにも、「料金の引き下げ」や「無料対象の拡大」を検討する余地が金融界にはあるのではないだろうかと思う。




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